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利用。
2009-10-25 Sun 11:08
Tとの「精神的距離」は、どんどん近くなっていった。
1カ月経つ頃には、完全に「親友」的存在だった。

同時に。

Nは、アタシの中で「男」と「弟」の中間点に位置し。
Hは、アタシの中で完全に「男性」になっていた。


それも、例外中の例外。


触れることは自然で、触れられることに抵抗はなく。
視線を合わせても、怖いと感じることはなく。
むしろ、自ら顔を近付けていくような状態だった。


絶対マズイ。
絶対ヤバイ。

思考の中、何度もその言葉を反芻し。
これ以上は危険だと、近付くことは自分にとって禁忌だと。
わかっていながら、アタシはHに近付くことをやめなかった。


止められなかった。









19歳の時、「運命」と呼ぶ恋をした。

世界で一番愛し、世界で一番憎み。
世界で最もアタシを傷つけ、世界で最もアタシが傷つけたひと。

それほど激しく、強く愛したひとがいた。


Nの外見は、そのひととよく似ていて。
出逢った時の年齢と、職業まで同じだった。

更に。

出会ったとき、すでに相手には「決まった相手」がいたのもほぼ同じなら。
出会ったとき、すでに相手が遠くへ転勤した後ってことも同じだった。

色んな要素が、符合していた。
重ねて考えるべきではない、と何度Tが諭しても。
アタシは、ふたりを重ねて考えることしかできなかった。



あの日。

Tが引き合わせたひとたちの中に、もうひとりの「T(以後T2)」がいる。


優しそうな外見とは裏腹に、目ヂカラだけはやたら強く。
Hとは違う意味で、アタシはそのひとにも魅かれはしたが。

芸能人、アイドル。
強いて言うなら、そんな感覚だった。

だからこそ、いつもなら口にしないことを言えたし。
Hへの感情を誤魔化すための、スケープゴートにもできた。

客観的な視線で、外見のランク付けをするならば。
「T2>H=T=N」というのが、妥当なラインだと思う。
要するに、T2が突出して「男前」で。
あとの3人は、ランクに差がつけられないオトコマエ度ってことだ。



アタシは、それを利用することにした。



Nとは、この先の「未来」はない。
けれど、理由がわからないとはいえ愛しいキモチは事実で。
同時に、Hを頼り甘えてしまう自分も確かに居て。
かといって、それを悟られるわけにはいかないから。


アタシは、Nと付き合っているけれど。
Nがハッキリしないから、T2にもフラッときている。

的な、「わけわかんねぇ」状態で。
この先、なんとかキモチを誤魔化して行こうと。
なんとなく、そう決めていた。



そうでないと、壊れそうで怖かった。



Nにせよ、Hにしろ。
誰かに傾倒して、誰かに没頭して。
また自分を見失って、また裏切られて。
深く傷つけば、また同じことを繰り返すとわかってた。

すべてが怖くて、すべてが敵に見える。
消えてしまいたいのに、どうすればいいのかわからない。
1日がやたら長くて、過ぎていく時間が苦痛でしかない。

そんな日々は、もうごめんだった。
二度と戻らないと決めたのだから、それは貫きたかった。



だから、利用することにした。



カッコいいよねぇ、とアタシが呟いても。
カッコいいですねぇ、とNは同調する。
他のふたりも、それは否定しないし。

なにより、T2自身がそれについてやたら照れることはなく。
何言ってんの、的オトナな対応でスルーし続けてくれた。


そう。

だから、そう演じ続けた。




決めかねてる、悩み続けてる。
どうすればいいかわからず、悶々としている。





Tには、悩んでいることを素直に認めたが。
最終的なところは、絶対に口にしなかった。

ハッキリしないことへの不安は、確かに恐怖と似た感覚だったが。
関係が確定することの方が、アタシには怖かった。

ちゃんと言葉にして伝えなさい、とNに言いながら。
Nがそれを口にすることを、アタシは望んでなかった。





サイテーなヤツだと、今でも思う。
何処まで酷いヤツだと、今でも思う。




でもアタシは、そう在り続けた。




もう、「壊れ」てしまいたくない。



アタシの中で、最優先事項はそのひとつしかなく。
それを死守するためなら、どんなことでもすると決めていた。





そう。





アタシは、Nだけでなく。
すべてのひとを、利用していた。






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